Japanische Klassiker mit Furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Lesen Sie 千世子 (ちよこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 83.104 Zeichen · 164 Bildschirme
まんなか頃にHが満州を旅行した時に蒙古の羊の群が川の家鴨をおって居るのをとった写真が入って居た。いつだったか病気で居た頃見せてくれた時、「いい事、いかにもお互のものの感じが出てますネエ」って云ったのを覚えて居てだろうかと思って見たりした。五つ六つステーションを通りすぎてから母親がこんな事を千世子に云った。
「お前は何となくつかれたらしいネエ、少し景色を見るか眠るかするといいだろう」
「そうした方がいいよ、青いよ」
父親までこんな事を云って居るのが千世子は自分の心のそこまでみとおされた様なつまらない気持になった。千世子はお義理の様に目をつぶって母親のかたにもたれかかった。
フカフカの肩にもたれかかって単純な様で意味のある様なカタカタと云う音を耳のそこできいて居る内に少し眠のたらなかった千世子は包まれる様になっていつの間にかフンワリと夢の中にとけ込んでしまった。
一人手にまたいい気持になって目をさました時もう四つばかりで国府津につくところまできて居た。
「よくねて居たネエ、サッパリしたろう顔色がよくなった」
母親は父親と顔を見合せて笑いながら千世子の髪のへこんだのをふくらしてやったり、袂のはなればなれになったのをそろえてやったりして居た。