Japanische Klassiker mit Furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Lesen Sie 千世子 (ちよこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 83.104 Zeichen · 164 Bildschirme
「妙なもんだ」
とびはじめの蛙の様に腰がすわらない気持でふいと口に出す事もあった。かなり風をきまぐれに午後から本屋に行った千世子はかえって三四冊のかなり重い包みを卓子の上に置くとすぐいつもする様に部屋の中じゅう見廻してからフイとHの手紙のはさんである雑誌をわけもなく手にさわったと云うばかりでとり上げた。
前とちがったところに手紙ははさんで有って巻方も一寸ゆるんで居た。
「阿母さんが見たんだ!」
千世子は斯う思ってうす笑いをした、そしてそれを手にもったまんまその時の母の様子を想像した。
私が電車に行った頃、母さんがここに来た、せかせかした眉つきをして机の引出しなんかを大まかに見る何にもない本棚の押し込みを見るここもからっぽ、少し気ぬけのした様な溜息を一つしてから本だらけの部屋の様子を籐椅子に腰かけてながめ廻すそれから何の気なしに手近にあるこの雑誌をとりあげる、妙にふくらんで居る、阿母さんは一寸まゆをひそめる、それからこわいものを見る様にあけると手紙が入って居る、瞳子の中に神経的のひらめきが上る、始っから一句も見のがすまいと読んで行く、中には生活の状態だの千世子に体を大切にしろだの阿母さんを思ってあげろのと書いてある、ほんのちょっぴり安心して又始めっからくりかえす、それですっかり安心して巻きながら「あれが知っ