Japanische Klassiker mit Furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Lesen Sie 千世子 (ちよこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 83.104 Zeichen · 164 Bildschirme
西洋間の皮張りの長椅子によっかかって、目の下にくらいかげをつくってHはうたたねをして居た。
フカフカするカアペッツの上をしのび足して千世子はすぐわきの椅子に腰かけて、ほんとうにつかれたらしくHの目をつぶって居る様子を見た。
「まつげがきれいだ事」
こんな事を千世子は思って居た。
千世子は瓦斯を消してスタンドのうす赤い光線をHのかおをよける様にして置いた。すぐその下で本をよんで居たけれ共フット、
「こんな事をして何だか私がHをまるで恋して居る様だ! そいでも何かまうもんか、他人のために善くしてあげる事だもの」
そのまんまそうっと室を出て茶の間の二人の仲間に入ってしゃべった。
時々、
「目が覚めただろうか?」
なんかと思って自分で自分を笑った。
二時間ほど立ってからHはまぼしそうな目つきをして出て来た。
「失敬しましたついねちゃったんで……」
笑いながらそんな事を云って手の甲で目をこすった様子が子供めいて居ると母親は、
「ハイ、御目覚、――音なしくめえめをちゃました御褒美にこれをあげまちょう」
こんな事を云ってガラスの切子のつぼの中に西洋がしのこまっかいのを一っぱいつめたのを出して来た。