Japanische Klassiker mit Furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Lesen Sie 千世子 (ちよこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 83.104 Zeichen · 164 Bildschirme
「キャラメルがありましょうか」
Hさんはあまったれる様に云って桃色のと茶色のとをとってもらって、
「今夜は私も奥さんの子供にして下さるでしょうネエ」
と云った。
「うすっきみのわるいほどでかっ子だ、母さんと四つほか年の違わない子だなんて――あんまりずうずうしい……」
千世子は軽口を云ってHの手から桃色のキャラメルをさらって行ってしまった。
夜おそくなるまで千世子は母さんと三人で話して居た。まっかなこの上もない花をまんかなに据えてうす青な光線の中でHと二人きりでその顔を見つめたっきりで居て見たいなんかと思って居た。
「私はHさんを何とか思ってるんだろうか、私は、ただすきだと云うだけで後ずさりもすすみもしないことをのぞんで居る、どっちに行ってもあんまりよくない結果になるにきまって居る」
ねしなに千世子はこんな事を考えた。
久しぶりで学校に出た千世子は皆からちやほやされて帰るまで妹か子供の様に思ってる友達にとりまかれて居た。
「こんな事はだれでもがして呉れる事だ、珍らしい内ちやほやされるなんかは有がたくもない」
こんな事を思っていろんな御あいそを云う友達に小さなものをあやす様に、ばつを合わせて居た。