Japanische Klassiker mit Furigana
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ちよじのおどろき
千代次の驚き
豊島 与志雄
Lesen Sie 千代次の驚き (ちよじのおどろき) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.413 Zeichen · 19 Bildschirme
それも、ひとをばかにしたような、そのくせ可愛いいといったような、そういう笑いかたなんです。そんなのが実はあたしの性に合うので、いい気になってると、ふいに、考えこんでおしまいなさる。かと思うと、これからどこかへ飲みにいこう、大いに愉快にやろうと、そうなんです。そして酔っぱらうと、いやにつっかかってきたり、また、何でもないのに、何も云わないのに、じっと眼を据えて、涙をこぼしていらっしゃる。わけをたずねると、いやに不機嫌で、怒っていらっしゃるようなんです。
落付かない、いらいらした、今にも破裂しそうなものが、あたしにも伝わってきて、じりじりと、あぶない瀬戸際におしつめられてるような気持でした。そんなこと、あたしには初めてなんです。ほかの人はどうかしらと思って、見廻してみると、一流のちゃんとしたねえさんで、旦那のほかに二三人の岡惚をもってるのがあったり、お酌あがりの娘さんで、ちょいちょい浮気をしてるのがあったり、自由な身でもないのに、一人のひとを守ってるのがあったり、さまざまでいて、そしてみんな、朗かに落付いてるようでした。こんなに困って苦しんでるのは、あたし一人なのかしら。