Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちよじのおどろき
千代次の驚き
豊島 与志雄
Lesen Sie 千代次の驚き (ちよじのおどろき) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.413 Zeichen · 19 Bildschirme
それに、村尾さんばかり頼りにしていたのでは、お金の上のことで、村尾さんが今にきっとお困りになる、只今でもどんな無理をなすってるか分らないと、そうした心配もあって、村尾さんばかりを大事にするわけにもいきませんでした。
それでもやはり、あたしの心ではなく、あたし全体が、村尾さんの方へよりかかっていってるようでした。殊に、誰からかつけねらわれてることに気がついてからは、なおそうでした。つけねらわれるといっても、ぼんやりしたことで、何にもはっきりしたものはつきとめられませんでした。初めは、夜遅くお座敷からの帰りなどに、その辺の電信柱の影や、看板の向うや、町の曲り角に、誰かがつっ立って、あたしの方をじっと見てるようなけはいだけでした。いつそんなことが気になりだしたか、自分でもよくは覚えてはいませんし、またあたしは、近眼に乱視なので、遠くがよくみえませんけれど、たしかに、物影からあたしの方をじっと見てる人があるんです。おやと思って立止ると、もうその人の姿はありません。それにあたしは、そんな時はたいてい酔ってたものですから、何かの気のせいだろうぐらいに思っていました。