Japanische Klassiker mit Furigana
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せんねんのじさ
千年の時差
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 千年の時差 (せんねんのじさ) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.756 Zeichen · 10 Bildschirme
此処で著者はまず「清潔だ」と感ずる。「岩の隙間から、青い空が見え、野菊めいた白い花が、しきりに揺れている」玄堂の中を徘徊しながら、「こんな途轍もない花崗岩を、切っては組み上げる事によってしか語られなかった」古代人の心が、何かしきりに語りかけて来るのに、心の耳を傾ける。「歴史の重みなどといういまいましいものはない。そんなものは、知識が作り出す虚像かもしれない。私は、現在、この頑丈な建物が、重力に抗して立っているのを感じているだけではないか」という。そして「歴史に悩んでいるよりも、寧ろ歴史工場の夥しい生産品に苦しめられている」現代人の中で、この詩人は「私達は、思い出という手仕事で、めいめいの歴史を織っている」と感ずるのである。
これからあとは付け足しであるが、読んで面白いという点では、この随筆集の最初に載っている『真贋』が、一番面白い。やはり好きな道のことを、楽しみながら書いたものには、著者の心のはずみが出ていて、その心は真直ぐに読者にも通うものらしい。読んでいてたいへん愉快である。良寛の詩軸を手に入れて得意になって掛けていると、友人の良寛研究家が来て、一言で片付けてしまう。