Japanische Klassiker mit Furigana
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せんねんのじさ
千年の時差
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 千年の時差 (せんねんのじさ) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.756 Zeichen · 10 Bildschirme
偶々傍に一文字助光の名刀があったので、縦横十文字にバラバラにして「全くよく切れるなあ、何か切ってみたかったんだが丁度いいや」と、いい機嫌でねる。三度ばかり書画好きの泥棒に見舞われた後のことなので、翌朝奥さんは、また泥棒ですよと奇声をあげる。そして「事の次第が判明すると、家内は『美談だわ』と平然として言った」という話が、真先に出ている。面白いのは、「つまり泥棒でなくてよかったという意味である」と付け加えてある点である。
青山二郎から焼物を教わってまだ間もない頃、鎌倉で美事な呉須赤絵の大皿を手に入れた。これは正銘のものだったのであるが、どうしたことか、青山氏がそれを贋物と間違え、その誤診料に支那料理をおごらせられる。誤診をしながら、青山氏は「焼物だと思って見くびるな、こら」といい機嫌で還って行く。「その晩は、口惜しくてどうしても眠れない。床の中で悶々としているが、またしては電気をつけて、違棚の皿を眺める。心に滲みるように美しい。この化物、明日になったら、沢庵石にぶつけて木端微塵にしてやるから覚えていろ」というところなど、実に面白い。瀬津の主人から名品三島の茶碗をまき上げ、それで紅茶や牛乳を飲んでいる話もある。