Japanische Klassiker mit Furigana
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ちはやかんのめいろ
千早館の迷路
海野 十三
Lesen Sie 千早館の迷路 (ちはやかんのめいろ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.829 Zeichen · 50 Bildschirme
しかしこれは直接田川君の死を決定するものではない。田川君の生死の鍵は、むしろあの千早館の中にあるのだと思います。それも今、相当切迫した状態にあると思うんです。ですから春部さん、池の方は今はこれくらいにして置いて急いで私たちは千早館の中へ入ってみましょう。もちろん冒険ですよ。しかしわれわれは今、冒険を必要とする要路にさしかかっているんです」
「ええ、分りました。では千早館へ行きましょう」
と、春部はきっぱりいって、手に持っていた竹竿を草叢に落とした。
8
帆村は、小型のピストルを春部に渡した。帆村の手にはさっきまでは望遠鏡の役目をしていた洋杖が元の形に返って握られていた。
二人は大まわりをして、千早館の真裏に当る山側から塀を越えて構内へ入った。それから壁伝いに玄関の正面に廻った。玄関は館内へ引込んでいて、四坪ほどの雨の懸らない煉瓦敷の外廊下があった。そのずっと左の隅に立って手を上に延ばすと、玄関の扉と同じ面にある壁の装飾浮彫の紅葉見物の屋形船に触わる。田鶴子が爪先を伸ばして、屋形船の上を指先で探っていたのを、帆村は望遠鏡の中で認めた。それだから彼は今、同じことを試みた。