Japanische Klassiker mit Furigana
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ちはやかんのめいろ
千早館の迷路
海野 十三
Lesen Sie 千早館の迷路 (ちはやかんのめいろ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.829 Zeichen · 50 Bildschirme
それにしては配電線が断たれているではないか。一体どうしてこのエネルギーを得ているのか」
帆村は、これらのエネルギー源の追求に、彼の全精力をふり向けている。
「分らない。他の部屋を探すのだ」
やがて帆村は、はき出すようにいった。そして春部の手を引いて、部屋の中を歩き出した。どこにも扉はない。部屋の片隅から、向こうへ伸びている廊下があるばかり。
必然的に、その廊下を行くより外に途はなかった。帆村は、再び春部を抱えるようにして、その廊下へ進み入った。幅は一間ほどのその廊下だった。壁は同じ赤煉瓦を厚く積み重ねてある。叩けば、それとすぐ分った。何の特徴もない。天井はおそろしく高くて、二十尺はあるだろう。暗いのでよく分らないが、やっぱり煉瓦らしい。煉瓦をどんな方法であんなところへ貼りつけるのだろうか。
廊下はところどころで曲っていて、長かった。二三度そういう角を曲った後で、帆村は急に足を停めて、春部に囁いた。
「カズ子さん。どうやらこれは普通の廊下でなくて、迷路のようですよ」
「メイロというと……」
「今朝バスで一緒になったお婆さんがいったでしょう。千早館の中には八幡の藪しらずがあるとね。