Japanische Klassiker mit Furigana
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ちはやかんのめいろ
千早館の迷路
海野 十三
Lesen Sie 千早館の迷路 (ちはやかんのめいろ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.829 Zeichen · 50 Bildschirme
「せ、先生。どうなすったんですの」
春部の声に、帆村は自嘲を停め、
「カズ子さん、謎は解けました。全く子供騙しのような謎なんです」
「どうして、それが……」
「私はポン助だから、今気がついたのですよ。いいですか。ここは千早館でしょう」
「ええ、そうです」
「千早ふる神代もきかず龍田川――知っていますね。小倉百人一首にある有名な歌です。その下の句に、からくれないに水くぐるとはとあるではありませんか。からくれないとは、正面奥の、あの真赤に塗った壁です。水くぐるとはこの水族館です。左右の金魚槽の間を脱けて奥へ進めば、水くぐるです。最後の『とは』はすなわち『戸は』です。正面に見ているのは『戸ろ』だから、その隣りに『戸は』がある筈です。その『戸は』を開け――というのがこのところに集められた謎の解答なんです。行ってみましょう、この奥にある筈の『戸は』のところへ。それからきっと、秘密の間に続く道があるんでしょう」
帆村は謎を解き捨てた。
「綺麗な答えですわ。やっぱり奥へ行けばいいのでしたわね」
春部は身を翻して奥へ駆入ろうとする。それを帆村が呀っと叫んで引戻した。
「待った、恐ろしい関があるんだ。