Japanische Klassiker mit Furigana
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ちどり
千鳥
鈴木 三重吉
Lesen Sie 千鳥 (ちどり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.951 Zeichen · 41 Bildschirme
章坊は、
「今度は電話だ」と言って、二つの板紙の筒を持って出てくる。筒の底には紙が張ってあって、長い青糸が真ん中を繋いでいる。勧工場で買ったのだそうである。章坊は片方の筒を自分に持たせて、しばらく何かしら言って、
「ね、解ったでしょう?」という。
「ああ、解ったよ」といい加減に間を合わしておくと、
「万歳」と言ってにこにこして飛んできて、藤さんを除けて自分の隣りへあたる。
「よ。姉さんもだよ」という。
「よしよし」
「何の事なんです」と藤さんは微笑む。
「今電話がかかりましてね、……」
「ああ今言っちゃいけないんだよ兄さん。あれは姉さんには言われないんだから」
「何でしょう。人が悪いのね」
このようなことを言っているところへ、初やが狐饅頭を買って帰ってくる。小提灯を消すと、蝋燭から白い煙がふわふわと揚る。
「奥さま、今度の狐もやっぱり似とりますわいの」と言ってげらげらと初やが笑う。
饅頭を食べながら話を聞くと、この饅頭屋の店先には、娘に化けて手拭を被った張子の狐が立たせてあった。その狐の顔がそこの家の若い女房におかしいほどそっくりなので、この近在で評判になった。女房の方では少しもそんなことは知らないでいたが、先達ある馬方が、饅頭の借りを払ったとか払わないとかでその女房に口論をしかけて、