Japanische Klassiker mit Furigana
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ちどり
千鳥
鈴木 三重吉
Lesen Sie 千鳥 (ちどり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.951 Zeichen · 41 Bildschirme
常吉はうしろからぽきぽきとそれをもぎ取って畚へ入れる。一と畚溜ればうんと引っ抱えて、畦に放した馬の両腹の、網の袋へうつしこむ。馬は畠へ影を投げて笹の葉を喰っている。自分はお長と並んで、畠の隅の蓆の上で煙草を吹かす。双た親は鍬を休めるたびごとには自分の方を向いて話しをする。お長も時々袖を引いて手真似で話す。沖の鳥貝を掻く船を指して、どの船も帆を三つずつ横向きにかけている。両端から二本の碇綱を延しているゆえ、帆に風を孕んでも船は動かない。帆が張っているから碇綱は弛まぬ。鳥貝は日に干して俵に詰めるのだなどと言う。浪が畠の下の崖に砕ける。日向がもくもくと頭の髪に浸みる。
やがて常吉の若い嫁が、赤い馬を引いてやってくる。その馬が豆腐屋のであった。嫁も掘る。自分も掘ってみたいと言ったけれど、着物がよごれるからだめだと言って母親が聞かない。嫁は唄を謡う。母親も小声で謡う。謡えぬお長は俯つ伏して蓆の端をっている。
常吉が手を叩くと、お長は立って、白馬を引いて行く。網の袋には馬鈴薯がいっぱいになっている。白馬が帰ってくると、嫁の赤馬が出て行く。赤が帰ると白が出る。