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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんぼくのとうかいどうよつやかいだん

南北の東海道四谷怪談

田中 貢太郎

Lesen Sie 南北の東海道四谷怪談 (なんぼくのとうかいどうよつやかいだん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.555 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

お弓は伊右衛門に復讐するために、伊右衛門の所在をさがしているところであった。お弓は卒塔婆を取りあげた。其の卒塔婆には俗名民谷伊右衛門と書いてあった。それは伊右衛門の母親が殺人の大罪を犯した我が子のために、世間をごまかすために建てたものであった。

「や、戒名の下に記した此の名は、父さんと娘を殺した悪人の名、それではもう此の世にいないのか」

伊右衛門はそれを知った直助にあいずをした。そこで直助はお弓のあいてになった。

「生きてる者に、なんで卒塔婆をたてる、伊右衛門が死んでから、今日でたしか四十九日」

お弓は無念でたまらないようにした。伊右衛門はそろそろと起って往って、いきなり足をあげてお弓を蹴った。お弓はひとたまりもなく川へ落ちて水音をたてた。直助が感心した。

「なるほど、おまえは、悪党だ」

伊右衛門はにやりと笑った。

「これもおぬしに習ったからよ」

此の時長兵衛が頬冠してきょろきょろとして来たが、伊右衛門を見つけた。

「民谷氏、此処にござったか」

名を云ってはいけなかった。

「これさ、これさ」

「なるほど、これは。だがこなたの巻きぞえをくってはならぬから、遠国に往くつもりでござる、どうか路銀を」