Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
なんちしんじゅう
南地心中
泉 鏡花
Lesen Sie 南地心中 (なんちしんじゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.205 Zeichen · 79 Bildschirme
素顔の雪に化粧して、皓歯に紅を濃く含み、神々しく気高いまで、お珊はここに、黛さえほんのりと描いている。が、女紅場の沐浴に、美しき膚を衆に抽き、解き揃えた黒髪は、夥間の丈を圧えたけれども、一人渠は、住吉の式に連る事をしなかった。
間際に人が欠けては事が済まぬ。
世話人一同、袴腰を捻返して狼狽えたが、お珊が思うままな金子の力で、身代りの婦が急に立った。
で、これのみ巫女の手を借りぬ、容色も南地第一人。袴の色の緋よりも冴えた、笹紅の口許に美しく微笑んだ。
「多一さん、美津さん、ちょっと、どないな気がおしやす。」
唐織衣に思いもよらぬ、生地の芸妓で、心易げに、島台を前に、声を掛ける。
素袍の紗に透通る、燈の影に浅葱とて、月夜に色の白いよう、多一は照らされた面色だった。
「なあ?」とお珊が聞返す、胸を薄く数を襲ねた、雪の深い襲ねの襟に、檜扇を取って挿していた。
「御寮人様。」
と手を下げて、
「何も、何も、私は申されませぬ。あの、ただ夢のようにござります。」とやっと云って、烏帽子を正しく、はじめて上げた、女のような優しい眉の、右を残して斜めに巻いたは、笞の疵に、無慚な繃帯。