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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

「では」と云うと星影左門は一層意地の悪い顔をしたが、「では尚更渡されぬよ。と云うのはこいつを囮にして、我等の望みを遂げたいからさ」

ここでグルリと手下を見たが、

「さあさあ汝らこの娘をつれて、目的の地へ行くがよい」

もうこうなっては仕方がない、浮木はたった一人である、左門の一党は多勢である。

「娘を渡せ! 娘を渡せ!」

浮木の叫ぶのを意にも介せず、

「どうぞお許し下さいまし、家へ帰らして下さいまし」

こう云う民弥の言葉も聞かず、大盗茨組の一党は、民弥を数人で宙につるし、悠々として山路を下り、京都の町へ入ったが、そのまま行方をくらませてしまった。

29

が再びそれが現われた時には、南蛮寺の前に立っていた。

ところが茨組の一党の後から、ひそかに歩いて来た少年があった。他ならぬ猿若である。その猿若は小北山における、例の乱闘の場から遁れ、京都の町へ入り込んだが、民弥のことが気にかかってならない。で、その消息を知ろうとして、この時洛中を歩いていたのであったが、見れば異様な野武士たちの中に、民弥が捕らえられているではないか。これは大変と思いながら、民弥の安否を見届けようと、その後からつけて来たのであった。