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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

6

その風船はユラユラと部屋の中へ入って行った。

さてその部屋の中であるが、弁才坊ただ一人、床を延べて伏せっていた。

うとうと眠っているらしい。部屋の中には燈火がない。で、闇ばかりが領している。その闇の部屋をユラユラと、白い風船が漂っている。スーッと天井まで上ったかと思うと、スーッと下へ下って来る。妖怪のようにも思われるし、肉体から脱け出た魂のようでもある。

しかし少年は何のために、そんな風船を飛ばせたのだろう? どんな役目をするために、風船は部屋の中へ入り込んだのだろう?

だがそいつは風船が、弁才坊の真上まで、ユラユラユラユラとやって来た時、ハッキリ了解することが出来た。

風船がパッと二つに割れ、闇の部屋の中へバラバラと、白粉のような粉を蒔き、それが寝ている弁才坊の顔へ、音もなく一面に降りかかるや否や、ムーッと弁才坊呻き声を上げ、両手を延ばすと苦しそうに、胸の辺りを掻き毟ったが、それもほんの僅かな間で、そのまま動かなくなったのである。

と、どうやら風船には、糸でも付けてあったらしい、そうしてそれが手繰られたらしい、窓から戸外へ出てしまった。

後はひっそりと静かである。