Japanische Klassiker mit Furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme
が、ハッキリと云って置く、それさえ解いたら素晴らしいものが、手に入ることになっている、南蛮寺の謎――唐寺の謎が、籠っているのだ、人形にはな! だからよ小判一枚と、青差一本というような、破格な高価で買ったのさ! そうでなかったらこんな人形、そんな高価で買うものか! オッと待ったり」と猪右衛門は迂散らしく右近丸と民弥とを、かたみがわりに見やったが。「ははあそうか、ははあそうか、一旦売った人形を、取り返そうとするからには、さては汝等も人形の、胎内の謎に感付いたな。と云うことであってみれば、人形はいよいよ返されねえ。オイ玄女さん」と猪右衛門は玄女の方を見返ったが、「お聞きの通りだ、この連中、人形の秘密に感付いたらしい。まごまごしてはいられない、行こう行こう、急いで行こう」
「それがいいねえ、そうしよう」
こう云ったのは玄女である。胸にしっかり人形を抱き、猪右衛門と右近丸の問答を、面白そうに見ていたが、こうこの時云ったのである。
「それじゃア走って行くとしよう、お前さんも急いで来るがいいよ。さあさあおいでよ、猪右衛門さん!」
「よし来た、急ごう、それ走れ」
そこで玄女と猪右衛門は右近丸と民弥を尻目にかけ、サーッと四ツ塚の方へ走り出した。