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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

「オイいけないよ。猪右衛門さん、あいつ等どこ迄も追っかけて来るよ」

猪右衛門も背後を見返ったが「成程々々追っかけて来る。構うものかい、逃げろ逃げろ!」

「だがねえ」と玄女は思量深く「私達の四ツ塚の隠家を、突き止められたら大変だよ、あの見幕なら家の中へ、きっと切り込んで来るからねえ」

「おっ、なるほど、それはそうだ! どうしたらよかろう、よい智慧はないか?」

「道を違えて走ろうよ、そうして途中でまくとしよう」

「そいつァよかった、是非まこう」

そこでにわかに玄女と猪右衛門は部下の香具師共と引き別かれ、北山の方へ走り出した。

早くも見て取った右近丸と民弥は、見失っては一大事と、すぐにそっちへ道を取り、ヒタヒタヒタと追い迫る。

逃げて行く玄女と猪右衛門と、追って行く民弥と右近丸、どっちも足弱連れである。一方まくことも出来なければ、一方まかれもしなかった。

四人いつの間にか町を出て、北野の方へ走っていた。二十人あまりの香具師の群は、とうに四方へ散ってしまい、四辺には一つの姿さえ見えぬ。

北野を過ぐれば大将軍、それを過ぐれば小北山、それを過ぐれば平野となる、それを過ぐれば衣笠山! そっちへドンドン走って行く。