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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

そうしてここにいる人間どもは、その恐ろしい人買なのであった。

と、部屋の片隅に、壁へ背中をもたせかけ、考え込んでいる少年があった。刳袴に袖無を着、鬱金の頭巾を冠っている。他でもない猿若である。悪人には悪人の交際があり、人買の一味と香具師の一味とは、以前から交際を結んでいた。で猿若も前々から、よくここへは遊びに来た。

だがどうしたのだろう猿若少年、今日はいつも程に元気がない。深い考えに沈んでいる。

「おい猿若よ、はしゃげはしゃげ!」

こう一人が声をかけた。片腕のない小男であった。勘八という人買であった。

「それどころじゃアありませんて」猿若の声は物憂そうだ。

「親方の行方が知れないんで」

「へえ、そいつは不思議だね」もう一人の人買が声をかけた。

片眼が潰れた大男で、その綽名を一ツ目と云い、この仲間での小頭であった。「玄女さんが居ないというのかい?」

「玄女姐さんも居なければ、猪右衛門親方も行方不明なのさ」いよいよ猿若は物憂そうである。

「おかしいなあ、どうしたというのだ?」こう訊いたのは勘八である。

「どうして行方が知れないのか、俺らには訳がわからないよ。二人ながら昨日からいないのさ」