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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

だからよ民弥さん堪忍しておくれよ。ね、ね、ね、昔の罪はね! ……そりゃアそうとどうもいけない。だんだん足音が近くなって来る」

民弥は無言で走って行く。民弥には全く不思議であった。

何が何だか解らなかった。猿若というこの小供が、何故自分を助けたのか? そうしてどうしてこの小供が、自分の名などを知っているのか? いやいや決してそればかりではない、逝くなった父の弁才坊のことや、そうして人形のことなどを、どうして口へ出すのだろう? ――何も彼も民弥には解らなかった。だがただ一つ解っていることがあった。それは自分のあぶない所を、助けてくれたということである。で民弥は心から、有難く思ってはいるのであったが、口へ出しては云わなかった。と云うのはうっかり声を出して、そのため呼吸でも乱れたら、そのまま倒れてしまうだろうと――こういう不安があったからである。

で、黙ったままひた走る。

だが精力には限りがある。だんだん二人は疲労てきた。足の運びも遅くなり、胸が苦しく呼吸が逸む。

「ああもう妾は走れない」

民弥がこう云って足を止めた時、人買の追手が追い逼った。

すぐに民弥と猿若とを、グルグルと包囲したのである。