Japanische Klassiker mit Furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme
庭師の群が現われて、助太刀をすると見て取ったので、疲労も忘れ勇気も加わり、軽快敏捷に立ち廻るのである。
月光が上から照らしている。地上に捨てられた松火が、焔を上げて照らしている。四辺は荒野! 点々と木立! そういう中での乱闘である。
と、その時意外の事件が、忽然勃発することになった。
浮木の姥の傍に立って、乱闘を見ていた娘の民弥が、何と思ったか身を飜すと、町の方を目掛けて一散に、野草を蹴散らして走り出したのである。
一体どうしたというのだろう? 乱闘に驚いて逃げたのであろうか? それとも何かそれ以外に、逃げて行かなければならないような、大事な理由があるのだろうか?
大事な理由があったのである。
「山から下って来た庭師風の人達、南蛮寺の謎を解こうとして、妾を尋ねて来たという、ではやっぱり敵なのだ。うかうかしてはいられない。危難を救われた恩はあるが、いつ迄も縋っていようものなら、難題を出されないものでもない。逃げよう逃げよう逃げて行こう!」
で、民弥は逃げ出したのである。
仰天したのは浮木の姥で、「民弥殿、民弥殿、逃げてはいけない。何も恐ろしいことはない。