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Japanische Klassiker mit Furigana

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いんしょう

印象

宮本 百合子

Lesen Sie 印象 (いんしょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.090 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

作者が、私の想像するように、早苗を真心から愛したく思っていたのに、彼の性格的な運命から事は悉く失敗し、最後に彼を捕えたのは、愛でもなく、沈思でもなく、何処までも彼を追い立てて行く武将の野心であったとするならば、最後の一句は、決して、其心をしみじみと味わせるだけの実感を漲らしてはいなかった。

稍々誇張して云えば、早苗の自殺ではっと気を緊めた見物の前に、大きく「ええ、口惜しや、騙かられたか!」と仁王立になった信玄と、ちょんびり、出立の用意を命じて思い入れした信玄とが短くつながって幕になってしまったのである。

早苗の死、其に連関して全く消極の働きを起した老傅役の自殺、子義信の反乱が、信玄の心にどう影響したか。自分は其が知りたかった。其点がはっきりしてこそ、早苗が、只、敵方に騙り寄せられた城将の妻が古来幾度か繰返したような自裁を決行したのか、又は彼女が云うように、国や命を賭けた戦を、彼女の命で裁かれたのか、歴然と一方に事実として照し出されたのではあるまいかと思うのである。

幸四郎も熱を持ち、真実に演じようとはしていたらしいけれど、妙味を見せる場所もなかったように見える。