Japanische Klassiker mit Furigana
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たんじょうび
原民喜童話集
原 民喜
Lesen Sie 原民喜童話集 (たんじょうび) von 原 民喜 (はらたみき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.817 Zeichen · 11 Bildschirme
しばらくして、お母さんは、もぐらの子供にこう云いました。
「さあ、私の後にそっとついて、そっと静かについてくるのですよ」
もぐらの子供はお母さんの後について行きましたが、何だか胸がワクワクするようでした。
「そら、ここが土の上」
と、お母さんは囁きました。
赤、白、深紅、白、赤、桃色……コスモスの花は月の光にはっきりと浮いて見えます。
「わあ」
もぐらの子供はびっくりしてしまいました。
「綺麗だなあ、綺麗だなあ」
もぐらの子供は、はじめて見る地上の眺めに、うっとりしていました。
すると、コスモスの花の下を、何か白いものが音もなく、ぴょんと跳ねました。これは月の光に浮かれて、兎小屋から抜け出して、庭さきを飛び廻っている白兎でした。
「あ、また兎が庭の方へ出てしまったよ」
と、このとき誰か人間の声がしました。それから足音がこちらに近づいて来ました。すると、もぐらのお母さんは子供を引張って、ずんずん下の方へ引込んで行きました。
「綺麗だったなあ。いつでも土の上はあんなに綺麗なのかしら」
もぐらの子供は土の底で、お母さんにたずねました。
「お月夜だから、あんなに綺麗だったのですよ」