Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
また、いえ
又、家
宮本 百合子
Lesen Sie 又、家 (また、いえ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.120 Zeichen · 13 Bildschirme
雨戸の閉った玄関傍のつわ蕗や沈丁花の下には、いやと云う程、野犬の荒した跡がある。
隣りとの境の垣根もすけすけになった処には、塵くたが無責任に放り込んである。
余り空が明るく、太陽の光りが美しいので、幾十日か人気なく捨てられて居た家は、まるで、全体が汚穢そのもののようにさえ見える。――
が、我々は――互に内心ではそのひどさを驚いて居る証挙に口もきかず――そろそろ彼方の格子の横木戸から、庭の方に廻って見た。
古草履や鑵、瀬戸物の破片が一杯散らばった庭には、それでも思い設けず、松や古梅、八つ手、南天などが、相当の注意を以て植えられて居る。庭石が、コンベンショナルな日本の庭らしい趣で据えられ、手洗台の石の下には、白と黒とぶちの大きな猫が、斜な日差しを受けて、踞って居る。
乱暴に乱されては居ても、些か風情のある庭の作りが、我々の注意をひかずには居なかった。片町の家には只空地があるばかりで、我々が素人の好みで、ぽつぽつ植込んだ植木が僅かに潤いを与えて居る位である。
無言のうちに少しなだめられて、二人は、ずっと、門傍の木戸から、奥に行って見た。此方にも鍵なりの地面があり、棕櫚や梧桐、楓らしいものなどが植って居る。