Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうじんいっかのし

友人一家の死

松崎 天民

Lesen Sie 友人一家の死 (ゆうじんいっかのし) von 松崎 天民 (まつざきてんみん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.805 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

「今井の死」は、これで漸く片付いたが、次には長男のTが……僕は何となくそう思って、暗い気持がした。不幸にして両親を亡くしたけれど、四人の子供達には幸福あれと祈って、僕はその夜を、川添の家で寝た。

東京から故郷の山中まで、僕の心にコビリ付いていた「今井の死」から、一刻も早く完全に脱れたい……。僕はそう思って、四五人の旧友達と共に、鰆のおつくりを肴に、村の酒を飲だりした。

滞郷僅に二日の後、東京へ帰って見たら、桜花は今を盛に咲き匂うていた。

○

K君――今井の長男Tが、故郷で血を吐いて死だのは、それから二ヶ月ほど後の事であった。恐しい結核菌は、今井夫妻の生命を奪ったのみでなく、その長男の望み多い半生をも、無残に亡ぼしてしまったのである。

平尾不孤、畠山古瓶、山下雨花、加藤唖蝉、田中稲月、玉井一二郎、国木田独歩、永井定太郎、山田桂華、桃中軒雲右衛門、渡辺亮輔など、多くの知人や友人を、結核菌のために失っている僕も、今井一家に巣うた毒菌の根強い恐しさには、今更のように戦慄した。

嘉悦孝子さんの女子商業学校を卒業した姉娘だけは、小柄ではあるが壮健なように見えたが、下のS子とM子とは、何となく弱々しく見えていた。