Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうじんいっかのし

友人一家の死

松崎 天民

Lesen Sie 友人一家の死 (ゆうじんいっかのし) von 松崎 天民 (まつざきてんみん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.805 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

「……でその今井の娘ですが、その後何うしましたでしょう」

「いや、何うも気の毒なこってしてね、SとMと二人の妹を連れて上京したんですが、Sの方は左右の肺とも、空洞になっていたそうで、コロリと死でしまいましたよ……」

「えっ、あの縮れッ毛の可愛い女の子が…………」

「そうです。妹のM子は、四月に私の宅から、番町学校へ上げましたが、この子がまた悪くてね、四五日経つとS子の後を追って亡くなったんです」

「ま、何と云う事なんでしょう。私は端書を貰ったきりで、訪ねても来ませんし、訪ねても行きませんでしたが、そうですか、とうとう結核菌のために、一家全滅してしまったのですね…………」

「姉娘が一人だけ、漸く生き残っているのです。妹二人の小さい骨箱を抱いて、愁然として国へ帰りましたよ。妹二人に先立れるために、わざわざ作州の山中から出て来はしなかったと云ってね、可愛相に、怜悧な姉娘も取乱して泣いていましたっけ…………」

K君――泣くに泣かれぬ話とは、こうした事を云うのではあるまいか。怪談会を背景として、泉鏡花氏の口から、こうした新事実を聴いた僕は、余りに身近な、余りに生々しい現実の哀話に、何とも形容し難い重々しい心持に落ちた。