Japanische Klassiker mit Furigana
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はんこう
反抗
豊島 与志雄
Lesen Sie 反抗 (はんこう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.121 Zeichen · 282 Bildschirme
彼の心は益々焦れて来た。何もかも保子へ告白してさっぱりしたいという願いが、益々強くなった。然し、頭の中でその言葉を考えてみると、問題はただ吉川のこときりなかった。数年前に死んだ吉川のことなんか、実はどうでもいい筈だったのだ!
周平はそれに気づいた時、惘然としてしまった。何だか幻をばかり見続けてきたような気がした。ふり返って考えると、吉川の写真のことや隆吉に関する日記のことなどが、今更に思い出された。その時の保子の態度に、一人勝手な推察を逞うしたことが、我ながら馬鹿々々しかった。吉川のことなんか保子にとっては何でもないことだ、そう解釈すれば、万事が平易に片付くようだった。
周平は夢から醒めたような気がして、街路を歩き廻ったり、郊外に出てみたりした。所が、そういう彼の心を新たな不安がふっと掠めた。
吉川のことにあんなに拘泥したのは、他に理由がありはしなかったのか? と彼は自ら反問してみた。吉川のことを頭から取去っても、保子に対する気持は、前と少しも変りがなかった。してみると、表面だけ吉川のことを借りてきて、実は自分自身のことを焦慮していたのではあるまいか。