Japanische Klassiker mit Furigana
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おじ
叔父
豊島 与志雄
Lesen Sie 叔父 (おじ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.585 Zeichen · 24 Bildschirme
」
中野さんも実はぼんやりしているのだった。中野さんはどうかすると、ひどくぽかんとすることがあった。そしてそういう時、よく思い出す一事があった。
まだ中野さんが十歳くらいの時のことだった。実母が死んで若い継母が来ていたが、その新らしい母に対して、彼は実母に対するのとは全く違った気持でなつかしんでいた。喜代子の母が――二つばかりの赤ん坊だったが――胸に抱かれて乳を飲んでるのが、妙に羨ましく妬ましかった。そんな気持から、或る時ひどい悪戯をした。若い母はいつも日本髪に結っていて、鼈甲だの珊瑚だの瑪瑙だの、その他いろんな美しい玉のついた、種々の髪の道具を持っていた。彼はそれをそっと盗み出して隠しておいた。母は大騒ぎを初めた。漸く髪の道具は袋戸棚の中から見付ったが、彼は素知らぬ顔をしていた。そして翌日またその悪戯をくり返した。そこで彼の仕業だということが分った。母は乱れた髪のまんまで、彼を人のいないところへ呼んで、叱ったり歎いたりした。自分の産んだ子供と彼とを分け距てしてはいないだの、彼をも心から可愛く思ってるだの、何が不足で私をいじめるだのと、眼に涙を一杯ためて説ききかせた。