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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふるきミニエチュア

古き小画

宮本 百合子

Lesen Sie 古き小画 (ふるきミニエチュア) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 70.298 Zeichen · 140 Bildschirme

Aozora Bunko

彼が、若々しい衝動に全心を委せ切れず、いつも、控え目勝ちであることも、決して彼の本心の朗らかな悦びではなかった。

若し前途の不安と、父の名を知る時に対する一種宗教的な畏怖がなければ、スーラーブは、躊(ためら)わず愛人の地位に自分を置いたであろう。

父を知る日を境にして、自分の一生はどうなるのかと思うと、彼の情熱は鎮まった。あとに、尽きない寂しさに似たものが残る。

自分の運命を真面目に考えるようになってから、スーラーブは、彼の最善を尽して、来るべき一日のために準備していたのであった。

七

その朝スーラーブは例によって、何心なく母の処へ挨拶に行った。ターミナは、優しく彼を迎えた。そして、侍女に命じ、わざわざ新しく繍(ぬ)ったという坐褥を出してすすめたりした。スーラーブはいつもの通り、次第に麗かになって来た天候のことや、この春はかなり仔羊が生れそうなこと、前日の羚羊(かもしか)狩の模様などを話した。彼は、近いうちにチンディーの宝石売が来るという噂を伝えた。

「母上にも何かよいのを見繕いましょう。この前はいつ来たぎりか、もう二年ほどになりますね。