Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふるいど

古井戸

豊島 与志雄

Lesen Sie 古井戸 (ふるいど) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.433 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

その上、穴の口から大きく半円を描いて、二筋三筋断続した地割れがしていた。

「土竜のせいでしょうか。」

「さあ、土竜にしちゃあ……。」

「では……。」

「何だかえたいの知れない穴ですね。」

「ええ、気味の悪い……。これからせっせと塵芥を掃きこんで、埋めてやりましょう。」

然し、彼女が時折掃き込む塵芥では、なかなか埋まりそうもなかった。一時口が塞ったかと思うと、次の降雨の後には、またぱくりと口を開いていた。

彼は何故ともなく、その穴と穴の上の自然石とに、注意を惹かれていった。

二抱えほどの、ただ円っこい普通の石だったが、木石の配置上そこに据えられたものではなく、掘り出されたのか転ってきたのかをそのまま投ってあるような、不自然な位置を占めていた。その石から一二尺離れて、半円形に断続の地割れがして、その一端に、一尺足らずの細長い穴が、斜めに深く、横広がりにあいていた。棒を突込むと、柔かな泥の感じでずるずるはいりこんで、それから先は石の壁のような固いものにつき当った。穴の周囲を足で踏むと、石との間の地面だけが、五寸ばかり崩れ凹んだ。石の下深く、大きな洞窟にでもなってるかのようだった。