Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふるむじな

古狢

泉 鏡花

Lesen Sie 古狢 (ふるむじな) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.891 Zeichen · 40 Bildschirme

Aozora Bunko

「……と言われると、第一、東京の魚河岸の様子もよく知らないで、お恥かしいよ。――ここで言っては唐突で、ちと飛離れているけれど、松江だね、出雲の。……茶町という旅館間近の市場で見たのは反対だっけ――今の……」

外套の袖を手で掲げて、

「十貫、百と糶上げるのに、尾を下にして、頭を上へ上へと上げる。……景気もよし、見ているうちに値が出来たが、よう、と云うと、それ、その鯛を目の上へ差上げて、人の頭越しに飜然と投げる。――処をすかさず受取るんだ、よう、と云って後の方で。……威勢がいい。それでいて、腰の矢立はここのも同じだが、紺の鯉口に、仲仕とかのするような広い前掛を捲いて、お花見手拭のように新しいのを頸に掛けた処なぞは、お国がら、まことに大どかなものだったよ。」

「陽気ね、それは。……でも、ここは近頃の新開ですもの。お魚はほんのつけたりで、おもに精進ものの取引をするんですよ。そういっては、十貫十ウの、いまの親仁に叱られるかも知れないけれど、皆が蓮根市場というくらいなんですわ。」

「成程、大きに。――しかもその実、お前さんと……むかしの蓮池を見に、寄道をしたんだっけ。