Japanische Klassiker mit Furigana
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ふるむじな
古狢
泉 鏡花
Lesen Sie 古狢 (ふるむじな) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.891 Zeichen · 40 Bildschirme
……お藻代さんは、地獄の釜で煮られたんです。
あの、美しい、鼻も口も、それッきり、人には見せず……私たちも見られません。」
「野郎はどうした。」
と外套氏の膝の拳が上った。
「それはね、ですが、納得ずくです。すっかり身支度をして、客は二階から下りて来て――長火鉢の前へ起きて出た、うちの母の前へ、きちんと膝に手をついて、
(――ちょっと事件が起りました。女は承知です。すぐ帰りますから。)――
分外なお金子に添えて、立派な名刺を――これは極秘に、と云ってお出しなすったそうですが、すぐに式台へ出なさいますから、(ちょっとどうぞ、旦那。)と引留めて置いて、まだ顔も洗わなかったそうですけれど、トントンと、二階へ上って、大急ぎで廊下を廻って、襖の外から、
(――夫人さん――)
ひっそりしていたそうです。
(――夫人さん、旦那様はお帰りになりますが。)――
ものに包まれたような、ふくみ声で、
(いらして、またおいであそばして……)――
と、震えて、きれぎれに聞こえたって言います。
おじさん、妙見様から、私が帰りました時はね、もう病院へ、母がついて、自動車で行ったあとです。