Japanische Klassiker mit Furigana
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ふるむじな
古狢
泉 鏡花
Lesen Sie 古狢 (ふるむじな) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.891 Zeichen · 40 Bildschirme
徒然な時はいつも糸車を廻わしているのだそうである。もともと私どもの、この旅客は、その小学校友だちの邸あとを訪うために来た。……その時分には遊びに往来もしたろうものを、あの、椎の樹婆叉を知らないのかと、お町が更に怪しんで言うのであった。が、八ツや十ウのものを、わざと親たちは威しもしまい。……近所に古狢の居る事を、友だちは矜りはしなかったに違いない。
――町の湯の名もそれから起った。――そうか、椎の木の大狢、経立ち狢、化婆々。
「あれえ。」
「…………」
「可厭、おじさんは。」
「あやまった、あやまった。」
鉄砲で狙われた川蝉のように、日のさす小雨を、綺麗な裾で蓮の根へ飛んで遁げた。お町の後から、外套氏は苦笑いをしながら、その蓮根問屋の土間へ追い続いて、
「決して威す気で言ったんじゃあない。――はじめは蛇かと思って、ぞっとしたっけ。」
椎の樹婆叉の話を聞くうちに、ふと見ると、天井の車麩に搦んで、ちょろちょろと首と尾が顕われた。その上下に巻いて廻るのを、蛇が伝う、と見るとともに、車麩がくるくると動くようで、因果車が畝って通る。……で悚気としたが、熟と視ると、鼠か、溝鼠か、降る雨に、あくどく濡れて這っている。