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Japanische Klassiker mit Furigana

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たいわんのしたい

台湾の姿態

豊島 与志雄

Lesen Sie 台湾の姿態 (たいわんのしたい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.910 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

だが、この新竹の風も宜蘭の雨も、実は取りたてて云うほどのものではない。気候のヒステリーの方がよほど人にこたえる。

そういうヒステリックな気候にも拘らず、台湾の春はやはり豊かである。草木の繁茂は云うまでもなく、花も豊か、果物も豊かだ。果物の秀逸はパパイヤであろうか。その味はバナナにまさることは勿論であるが、マンゴーには及ばない。その代り、マンゴーや柑橘類が季節的であるのに反して、パパイヤだけは一年中常に結実する。数顆が熟する頃には、その上の一節には次の数顆が既に成長している。四季ともにそうなのである。製糖会社にしても、甘蔗の糖分の稀薄な夏季は工程を休み、機械の手入れをするだけに止める。然しパパイヤは一年中休みなくその結実成熟の工程を続ける。

パパイヤは固より南国的なものであるが、台湾の春には、極めて日本的なものがある。栴檀の花とペタコとがそれである。栴檀の薄紫の花の香は、この南国の空に日本への郷愁を漂わせる。その香気の中にペタコが鳴く。この頭の白い小鳥の声は、鶯の囀りを少しく縮めたものとして聞かれる。鶯の大なるものは、台北から汽車で間もない鶯歌駅の近くの小山にある。