Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
たいわんのしたい
台湾の姿態
豊島 与志雄
Lesen Sie 台湾の姿態 (たいわんのしたい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.910 Zeichen · 14 Bildschirme
これは鶯の形をした巨岩であって、嘗て北白川宮殿下御通行の折には、この岩の鶯が囀ったという。今はもう沈黙しているが、その代り、鶯の声に似たペタコが至る所に鳴いている。その声は、至る所にいる白鷺の姿に劣らず美しいものだ。
*
自然界の熱情から情緒へと、いつしか筆が滑ったが、人事については、先ず情緒からはいってゆこうか。
内地から台湾への入口たる基隆港について、ちょっと声をひそめたいことだが、台湾夫婦の基隆別れ……という俚諺がある。固よりこの文句の示す通り、酒興遊楽のなかの愛欲事件を指すものであり、雨港たる基隆埠頭の一情景であろう。然し、こういう俚諺が特に生じたところに意味がある。彼は彼女と別れて内地に帰ってゆく――俚諺に歌われるほど多くの彼等が頻繁に帰ってゆくのだ。
台湾在住の内地人は官吏か会社員だと、これまで云われていたし、現在でも云われている。だから転任による内地との移住が甚だ多いことになる。其他の少数の人々にあっても、台湾永住の覚悟を持つ者は甚だ少いと云われる。その理由はいろいろあろう。茲にそれを穿鑿する隙はないが、ただ一言にして云えば、この豊かな自然の中に於ても、吾々は或る淋しさを感ずるのである。