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Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme

Aozora Bunko

果然その面書きは前夜の若者の人相風体と一致していましたので、そのうえはそれなる達磨を好いた女について事実の有無をたしかめ、縊死を企つるに及んだ素因が単なる失恋の結果からであるか、それともほかに何かかくされた事件があるか、その二つを剔抉すればいいのでしたから、もうこうなるとくるわにおける一介のぶこつ者は、断然として天下公知の捕物名人に早変わりいたしまして、その場からただちに例の疾風迅雷的な行動が開始されることとなりました。

「いや、いろいろとよいこと聞いて重畳じゃった。では、せいぜいお客をたいせつに勤め果たして、はようそなたも玉の輿にお乗りなせえよ」

あっさりいうとすうと立ち上がって、おどろきあきれている揚げ屋の者に、ちゃらりと小判を投げ与えておくと、表へ出るや、伝六にもう鋭い声をかけました。

「さ、例のとおり、駕籠だ、駕籠だ」

「ようがす、だんなの口からそれが出るようになれば、もうしめこのうさぎだ」

用意のくるわ駕籠にうち乗ると、見返り柳もなんのその、思案橋も勇んで飛んで、一路目ざしたところは、いわずと知れた浅草馬道の二つめ小路です。

3

行き行くほどに空は曇って、まもなくぽつりぽつりとわびしい秋の雨でありました。