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Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme

Aozora Bunko

の者があわてだすといったぐあいで、はからずも騒ぎが大きくなりました。

だから、家光公がけげんな顔をあそばして、かたわらにさし控えていた松平伊豆守を顧みながら、不審そうに尋ねました。

「のう、伊豆、絵物語なぞによっても、牛若どのはもっと勇者のように予は心得ているが、あのように弱かったかのう。見れば、弁慶の顔を見ただけで卒倒いたしおったようじゃが、世が泰平になると、牛若どのにもにせ者が出るとみえるのう」

牛若をにせ者ときめてしまったあたりは、なかなかに家光公もしゃれ者ですが、しかし、ここが松平伊豆守の偉物たるゆえんだったのです。なにかは知らぬが、この珍事容易ならぬできごとだなということを早くも見てとりましたから、それには答えないで、さっと立ち上がると、とっさにまず身をもって家光公をかばったもので、同時にことばを強めながら、せきたてるように腰元たちへ下知を与えました。

「なに者かためにするところあって、かような珍事をひきおこしたやも計られぬ。おのおのがたは上さまをご警固まいらせ、そうそうご城中へお引き揚げなさりませい!」

命じ終わるととっさにまたかたわらをふり返って、お茶坊主をさしまねきながら、さらに知恵伊豆らしい下知を与えました。