Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
「ちえッ、あきれちまうな。いかにもっそう飯だからって、三十七人ものおおぜいを食わしておいたんじゃ、入費がたまりませんぜ。あっしの考えじゃ、こんな事件ぼこ、だんなほどの腕をもってすりゃぞうさはねえと思うんだが、それともなんか奇妙きてれつなところがあるんですかね」
けれども、右門はいかほど伝六にあきれられようがいっこうにすましたものでした。さっぱりとお湯につかって汗を流してくると、風通しのいい縁側に碁盤をもち出しながら、古い定石の本を片手にパチリパチリとやりだしたもので――だから伝六がたちまち早がてんをいたしました。
「へへいね。こいつあ近ごろ珍しいや。だんながそうやって碁をお打ちなさるときゃ、見込みのたたんときと決まっていやすが、するてえと、なんでげすかね。ぞうさがなさそうに見えて、こいつがなかなかそうでねえんでげすかね」
しかし、右門は一言も答えずに、必死とパチリパチリ打ちつづけましたものでしたから、伝六がいよいよそうとひとりがてんしてしまったのは無理からぬことでしたが、しかし実はそれが右門の考え深いところで、あのとき松平伊豆守も言明したとおり、もしも何者かがためにするところがあって、かような騒擾をわざわざ将軍家面前でひきおこし、そのどさくさまぎれに、恐るべき陰謀を決行しようという魂胆であったら、この毒殺