Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
しかし、右門はもうそのとき完全に、われわれのむっつり右門でありました。黙然たることその金看板のごとく、行動の疾風迅雷的にして、その出所進退の奇想天外たることまたいつものとおりで、面に自信の色を現わしながら颯爽として足を向けたところは、伝六のいったつじ君の徘徊している柳原の土手ではなくて、つい宵の口に通ったばかりのあの紀国坂だったのです。しかし、かれは坂の中途で立ち止まりながら、しきりとやみをすかして、あのとき通りすがりの職人から聞いた大いちょうのありかを捜していましたが、やがてその方向を見定めると、容赦もなくよもぎっ原をどんどんそのほうへやって参りましたものでしたから、ようやく気がついたとみえて、伝六がぶるぶるッと身ぶるいしながら、そでを引くように呼びとめました。
「ね、だんな、待っておくんなさいよ。待っておくんなさいよ。人をからかうにもほどがあるじゃごわせんか。どうやら、行く先ゃさっきの職人からきいた化け物屋敷のように思われますが、あっしゃこう見えても善人なんです。生得お寺の太鼓と化け物ばかりゃきれえなんだから、このお供ばっかりはごめんですよ、ごめんですよ」