Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
むろん、出ればすぐと駕籠で、しかも目ざしたところはほんとうに浅草だったのです。
けれども、浅草を目ざしたことは目ざしましたが、右門の駕籠からおりたったところは、山の見せ物小屋とは反対に、雷門のまんまえでありました。それも、お参りをしようとするのではなくて、この暑いのにごった返している仲みせ通りの人込みをしきりとぶらぶらしながら、二度も三度も同じところを行ったり来たりやりだしたものでしたから、こういうときのむっつり右門がしばしば人の意表を突くような行動を取ることはよく知っていても、あんまり変なことをしすぎるために少々うだってしまったものか、伝六がとうとうお株の気短を小出しにさせて、ちえッと舌鼓を打ちながら、そのそでを引きました。
「あきれちまうな。きんのうやきょうお江戸の土を踏んだ人間じゃあるめえし、観音さまはいつ来たってこのとおりの人込みですぜ。薄みっともない、ぼんやりと口をあけて、なにがいったいそんなに珍しいんですかい。あっしゃもうほんとうにおこりますぜ」
しかるに、右門はいっこうに馬耳東風と聞き流しながら、しきりとなにか物色顔で同じところを行ったり来たりしていましたが、そのときはからずも人込みの中から、まだ二十ぐらいのみずみずとしたあだっぽい女の姿をみとめると、不意に鋭い口調で、ささやくように伝六へ命じ