Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
たから、ちょうど、よく切れる刀には血を吸わしておかないとだんだんその切れ味がにぶるように、自然と右門の明知も使い場所のないところから内攻していって、そんなふうにお番所へお出仕することまでがおっくうになったのですが、そのためしたくはしたものの、なにかと出渋って、ぼんやりぬれ縁ぎわにたたずみながら、しきりとあごの無精ひげをまさぐっていると、ところへ息せききって鉄砲玉のように駆け込んできたものは、例のおしゃべり屋伝六でありました。
「ちえッ、あきれちまうな、人の気をもますにもほどがあるじゃござんせんか! とっくにもうお番所だと思いましたから、あっしゃご不浄の中までも捜したんですぜ。なにをそんなところでやにさがっていらっしゃるんですか!」
べつにやにさがっていたわけではないのですが、どうせご出仕しても、また一日控え席のすみっこであごのひげをまさぐっていなければなるまいと思いましたものでしたから、てこでも動くまいというように、ふり向きもしないでうずくまっていると、しかし伝六は不意にいいました。
「さ! ご出馬ですよ! ご出馬ですよ!」
いつも事をおおげさに注進する癖があるので、ふだんならば容易に伝六のことばぐらいでは動きだす右門ではなかったのですが、長いことしけつづきで気を腐らしていたやさきへ、突然出馬だといったもの