Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
「ちょっと承りたいことがありまして参じましたが、もしや、ゆうべ伝馬町の平牢から、死人となって出た者はござりませなんだか」
「ああ、ありましたよ、ありましたよ。まだ宵のうちじゃったがな。もう長いこと労咳でわしがめんどうみていた無宿者の老人が、急にゆうべ変が来たというて呼び迎いに参ったのでな。行くにはあたるまいとも存じたが、役儀のてまえそうもなるまいから、検診してさっそく非人どものほうへ下げ渡させましたわい」
「そのとき、なんぞお気づきのことはござりませなんだか」
「さようのう。死因はたしかに病気じゃったし、ほかに不審とも思われた節はないが、身寄りもない無宿者に、だれがそんな手回しのいいことをしたものか、棺にして運び出したようでござりましたよ」
「え? 棺でござりましたとな!」
「さよう、それもふたり分ぐらいはゆっくりはいれそうな大きい寝棺でしたよ」
引き取り人のあった場合ならば格別でしたが、この場合の死囚人のごとく非人の手に下げ渡すときは、普通こも包みのままであるのが慣例であるのに、意外にもふたりぐらいはいれそうな大寝棺によって運搬したといったものでしたから、右門のまなこは聞くと同時にらんらんとして、異状なる輝きを呈しました。