Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
それに免じて名を名のりてえが、ところで、どいつにしましょうかね」
「そんなにいくつもあるのか」
「ざっと三つばかり。うちの親方はぬけ作というんですがね。河岸のやつらはぽん助というんでげすよ」
「よし、もうあいわかった。さては、きさまがさっき手紙の使者に参った魚勘とかの若い者だな」
「へえ、そうなんですが、どうしてまたそれがおわかりなすったんですかい」
「きさま今、河岸といったじゃねえか」
「ちえッ、おっかねえことまで見ぬいてしまうだんなだな。してみるてえと、おれが隣のお美代坊に去年から夢中になっていることも、もうねたがあがっているんかな――」
とんだところで魚勘の若い者は、あだ名どおりのぬけ作たる馬脚を現わしてしまいましたが、右門はもはや第一段の尋問を了しましたので、ずかずかと棺のそばに歩みよると、ぶきみさにもひるまずに、そのうわぶたをはねあげて、死者の白衣をはだけながら、第二の死体点検にとりかかりました。
と同時に、右門のまなこを最初にはげしく射たものは、その胸の右乳下に見えるあの卍のいれずみ――たしかに破牢罪人の同じ右乳下にもあったはずの、あのいぶかしき卍の朱彫りでありました。