Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
と同時に、立ち上がった者は伝六でなく、右門です。珍しや、自身出迎えに表まで出ていったと思われましたが、まもなく伴ってきた者は、今にしてはじめて知らるる十七、八のぬれ羽色に輝く前髪をふっさりとたくわえた一人のお小姓でありました。おそらくは、ご大身の大々名にでも近侍している者とおぼしく、あでやかというよりも、むしろさっそうとしたりりしさを備えていましたが、そのやや青まって見える悩みありげな面ざしは、右門のいったとおりに、なにごとか深い子細のあり余りげなふぜいでありました。それゆえか、導かれて座についてからも、しばしがほどは黙々として面をうち伏せながら、なお思いに悩みつづけているらしい様子でありましたから、右門がまずいったのです。
「てまえも八丁堀で少しは人に知られた者でござる。わざわざあのような張り紙をしておいてまいったからには、いかようなことなりとご貴殿の力になってしんぜようから、まず事の子細を先に承りましょうではござらぬか」
「はっ……」
小さくいうにはいいましたが、よほどの考慮を費やすべき問題ででもあるのか、いっこうにあとをつづけようとしなかったものでしたから、右門がずばりと一本くぎをさしました。