Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
、しかし、これは村正の刀があまりによく切れすぎるのと、その刀相に一抹の妖気が見られるところから、いつだれがこしらえたともなくこしらえた伝説で、ほんとうの因縁いわれは、徳川の始祖、すなわち神君家康が、ひどくこの千子院を忌みきらったからのことなのです。なぜ、それほどにきらったかというに、祖父清康が天文四年尾州守山の陣において、阿部弥七郎なる者のために、この村正をもって袈裟がけの一刀をうけ、弥七郎の帯びていた村正によって、清康の子広忠、すなわち家康の父がまた天文十四年に、その家臣の岩松八弥なる者に股を刺され、本人の家康また関ガ原の陣において、これは別な村正でしたが、同様千子院作の槍のために指を突かれ、さらにその長子岡崎三郎信康なる者が、父家康の怒りにあって自刃したとき、これを介錯した天方山城守の一刀がやはり村正の刀だったというところから、数代重なったこの不思議きわまる因縁に権現さまともいわれた家康がすっかりと縮み上がって、自今村正作の打ち物類は見つかりしだい取り捨てるべし、というご禁令をお納戸方に向かって発したものでしたから、それがいつしか村正の嫌忌される原因となり、二代三代はもとよりのこと、四代五代の村正作でも、およそ村正と名のつく打ち物類はことごとく忌みきらわれるにいたったのです。