Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
ところが――当然会わねばならないはずのものが会ってくれない! 不思議なことに、会ってくれない! もはや手配済みでござるから、このうえのご配慮は迷惑でござる――そういう理由のもとに、半ばお直参の威嚇を示しながら、ぴたりと面会を峻拒いたしました。
「臭いな」
右門の疑惑は二倍に強まりましたので、その威嚇を犯して、あくまでも面談を強請いたしました。けれども、小田切久之進は顔さえも見せないで、いよいよ奇怪なことに、いっそうろこつなお直参の威嚇を示しながら、重ねて右門の申し入れを峻拒いたしました。これはどうしたって、会わないというその事がらに対して疑いを深めるより道はないのだけれども、相手は小身ながらともかくもお直参のかさを着たお旗本なんでしたから、右門は三倍に疑惑を強めながらも、第一段の方策は放棄するのほかはありませんでした。放棄すれば、いうまでもなく事件のいっさいについて、いたずらであるか、目的を持った犯行であるか、また何がゆえにそうまでも秘密を守り、かつまた会うことを避けねばならないのであるか、それらの糸口となるべき材料をつかむことも、その探索への順序を立てることすらも、なんら判断を下すことが不可能になったのですから、自然の結果として、かれに残された道はただ一つ、その事件から手を引く以外にはないことになりまし