Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
またとないわけですが、したがって事件の発生当時から、一はおのれの旧悪をおおわんがために、二にはおのれの旗本にも似合わしからぬ小胆をおし隠そうためから、ごく内密にという条件が付されたわけでした。けれども、問題はその無数の首です。出所はむろん右門のにらんだとおり、あとの四つも小塚ッ原の獄門首だったのですが、しかし、いかにしてかかる無数の生首を天下のご法に反して手に入れたか! まっかになってうつむいていた姉娘の代わりに、それらの首の提供者であった小塚ッ原の獄門番人の見るからにけがらわしい中年の非人が、べろり舌なめずりをして恬然と答えました。
「えへへへへへ。獄門首にしろ、ともかくもお上の預かりものなんですからね。それをくれてやるからにゃ、銭金ぐらいの安い代償じゃ、命にかかわるご法はまげませんよ。あの姉のほうの、まっかな顔をしてうつむいている、そこの美しい女の子の、命よりもたいせつな雪の膚をちょうだいしたんですよ」
貞操との交換といったそのひとことには、がらっ八なることおしゃべり屋の伝六までがまゆをひそめていましたが、事件に組みした連座の者を八丁堀の平牢にさげてしまうと、ふと思いついたか、伝六がたちまちおしゃべり屋のお株を発揮して、黙々とゆううつげに押し黙っている右門に、しつこく話しかけました。