Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
それよりか、ほら、これをな――」
「えっ?」
「わからんか、な、ほら、ぷんといい女の膚みたいなかおりがするんじゃねえか。おそらく、向こうの手首にもこれと同じ移り香があるにちげえねえから、ちょっといってかいでこい」
「なるほどね。ようがす、心得ました。じゃ、それだけでいいんですね」
「しかり――だが、みんなにけどられねえようにしろよ。騒ぎたてると、ぼんくらどもがろくでもない腕だてをして、せっかくのほしをぶちこわしてしまうからな」
「念にや及ぶだ。あっしもだんなの一の子分じゃごわせんか。どっかそこらの路地口であごひげでもまさぐりながら、待っていなせえよ」
自分のてがらででもあるかのように伝六が駆けだしたものでしたから、右門は災難に会った一家の者に悠揚として黙礼を残しながら立ち去ると、門を出たそこの路地口のところで、いったとおりあごひげをまさぐりまさぐり、伝六のかえりを待ちうけました。まもなく駈けもどってきた伝六の報告によると、果然切り取られた手首には同じ香のにおいがあったばかりでなく、血の手形の跡もばりばりと何か障子をひっかいた手口も、全然両者が同様であるということがわかったものでしたから、もうそれからの右門は例のごとし――いいこころもちにふところ手で宿に引き揚げていくと、すっぽりと郡内かなんかの柔らかいやつをひっかむっ