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Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme

Aozora Bunko

深夜の町を黙々として八丁堀まで送り届けましたので、くだんの若い者を座敷へ伴っていくと、そこでようやく事の子細を尋ねることになりましたが、けれどもその尋ね方がまたまことに右門流です。

「どうだ、まだ死にたいか」

そして、からからとうち笑ったものです。その尋ね方のよく人情の機微をうがって少しもむだ口をきかないあたりといい、ことばは簡単ながらなおよく言外に義侠心の強さをはらましているあたりといい、普通の場合の人間であっても、ぐっと骨身にこたえるところでしたから、くだんの若者にとっては右門のたのもしそうなその一言は、なおさら心魂をゆりうごかしたことだったでしょう。もうたまらないといったように、わっとそこへ男泣きにくずれ伏しましたものでしたから、すかさずに右門が、なおいっそうのたのもしさと侠気とを言外に含めて、男の悲しみと苦痛を、その大きな胸へ抱き包むように尋ねました。

「もうよい、もうよい。わしという人間がどういう人がらの男であるか、それがわかってのことであろうから、もう泣くのはよして、かくさずに胸のうちを物語ったらどうじゃ」

しかし、男は嗚咽をつづけたままで、ただ身をよじるばかりでありました。